ボールは、もう右手にあった。 右足は、まだ揃っていなかった。 昼間の合同稽古が終わったあと、床に転がっていた柔らかいボールを、端のカゴへ返そうとした。誰かに急かされたわけではない。自分が、先に急いだ。カゴまでの距離は、歩いて五歩もな...